不倫(不貞行為)の証拠がない! 泣き寝入りしないためにできることは
- 不倫
- 証拠がない
- 泣き寝入り
2022年の郡山市の離婚件数は541件で、約2.5組に1組が離婚と少なくない数の件数で推移しています。
よくある離婚原因のひとつとしては配偶者の不倫(不貞行為)が挙げられますが、「不貞行為の証拠がなにもない」という場合は、なにも訴えることができず泣き寝入りになってしまうのでしょうか。
この記事では、不貞行為の証拠がない場合にも泣き寝入りしないためにとるべき対処法や、収集すべき有効な証拠などについて、ベリーベスト法律事務所 郡山オフィスの弁護士がわかりやすく解説していきます。
参考:「統計こおりやま 戦後の婚姻件数と離婚件数推移」(郡山市)
1、不倫(不貞行為)の証拠がないと泣き寝入りするしかない?
不倫(不貞行為)の証拠がないと泣き寝入りするしかないのでしょうか。
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(1)裁判で自白が成立する場合には慰謝料請求できる可能性
証拠がない場合であっても、相手方配偶者が「不貞行為を全面的に認めている場合」には、証拠がなくとも慰謝料請求できる可能性があります。
裁判手続きでは、事実の主張や証拠の提出は両当事者の責任によって行われます。そして、当事者間に自白が成立した事実については、その事実が真実であることを前提として判決の基礎に沿えなければならない、というルール(自白の拘束力)があります。
したがって、裁判手続きの中で相手方が不貞行為を認めている場合には、証拠を提出する必要がなく、裁判所も不貞の事実があったものとして判断しなければならないのです。
しかし、相手方が不貞行為を否定した場合、不貞行為を認めてもらうためには証拠によってその事実を証明しなければなりません(証明責任)。
不貞行為の証拠がない場合、相手方配偶者も自ら積極的に不貞の事実を認めるケースは多くありません。裁判では、争いのある事実については、証拠によって立証される必要があるため、証拠が全くないという場合には慰謝料を勝ち取ることはかなり難しいでしょう。 -
(2)話し合いの場合も証拠がなければ厳しい
他方、裁判手続きではなく、話し合いや任意の交渉によって慰謝料を請求することはできます。
しかし、このような場合でも、証拠がない場合には相手方配偶者から「不貞行為などしていない」と反論され、慰謝料の支払いに応じてもらえない可能性が高いでしょう。
以上のように、裁判・話し合いいずれの場合であっても、不貞行為の証拠がない場合には満足できる慰謝料の支払いを請求することは難しいといえます。
2、法的に有効な不倫(不貞行為)の証拠は?
法的に有効な不倫(不貞行為)の証拠としては、以下のようなものがあります。
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(1)写真や動画
相手方配偶者が、第三者との間で性行為を行っている姿が記録されている写真や動画については、直接不貞行為を証明できる証拠になります。
また、直接的な性行為が記録されているわけではない場合であっても、以下のようなケースでは第三者との不貞関係が強く推認されることになります。- 配偶者が第三者と裸同然で抱き合っている画像・動画
- 配偶者が第三者とラブホテルに出入りしていることがわかる画像・動画
- 第三者と宿泊を伴う旅行に行っていたことがわかる画像・動画
あくまでも、不貞(性行為)を推認することができる証拠が必要ですので、食事やデートをしている姿については不貞を推認するには不十分です。
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(2)メールやLINEでのやり取り
不貞相手とのメールやLINEでのやり取りについて有効な証拠となる可能性があります。
前述のように第三者との間で性的関係にあることがわかる点がポイントですので、以下のようなやり取りが有効な証拠となります。- 「昨晩のエッチはすごくよかった」「またやりたい」など直接性行為に言及するやり取り
- 「前使ったラブホテルはよかった」など第三者とラブホテルを利用していることがわかるやり取り
- 「またお泊まり行こうね」など第三者と宿泊を伴う外出をしていることがわかるやり取り
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(3)音声データ
相手方配偶者が不貞行為について認めている会話を録音した音声データについても有効な証拠となります。また、不貞相手と性行為に関する会話・通話している内容を録音した音声データについても同様です。
さらには、性行為中の音声を録音した音声データについても不貞行為の直接の証拠になります。 -
(4)ラブホテルを使用した領収書やクレジットカードの明細書
不貞相手と利用したラブホテルの領収書やクレジットカードの明細についても、不貞行為を推認できる有効な証拠となります。ただし、このような領収書や明細書だけでは、相手がいたことまでを証明することができませんので、「疲れて一休みするために利用した」という反論が可能になります。
このような場合には、他の証拠によって第三者がいたことを立証するか、相手方がうそをついていることを立証する必要があります。
3、不倫(不貞行為)の証拠がない場合の対処方法
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(1)自力で証拠を収集する
不倫(不貞行為)の証拠がない場合には、ご自身で集めることも不可能ではありません。しかし、自力で証拠を収集しようとする場合には、その収集の方法に注意する必要があります。
具体的には、以下の点に注意が必要です。- 撮影や録音をしようとして第三者(不倫相手)の住居に侵入してしまった
- 尾行が不倫当事者にバレて暴行事件に発展した
- 相手のスマホに尾行アプリなど違法なアプリを入れた
- スマホのロックを勝手に解除して不正アクセス禁止法に抵触した
このような場合、苦労して獲得した証拠を使用することが認められなかったり、不倫当事者から何らかの法的請求を受けたり、相手に有効な反論の余地を与えたりすることにつながりかねません。
ご自身で証拠を収集しようとする場合には、思わぬトラブルに巻き込まれるおそれがあるため、次のような専門家に依頼することも検討してください。 -
(2)探偵事務所に依頼する
不貞行為の証拠が一切ない場合には、探偵事務所に依頼するという対処法もあります。
探偵事務所が作成した「調査報告書」は不貞行為を立証するために非常に有効な証拠として活用されています。探偵事務所が作成する調査報告書とは、相手方配偶者が不倫相手とラブホテルや自宅に出入りしている姿や、滞在時間、回数などを詳細に記録し、動画・画像に基づいて説明する資料です。
ただし、探偵事務所に依頼する場合には、高額なコストがかかる可能性があるため、調査費用についてはあらかじめ調べておきましょう。 -
(3)弁護士に相談する
不貞行為の証拠がない場合には、弁護士に相談することがおすすめです。
離婚問題や夫婦トラブルの経験が豊富な弁護士であれば、ご自身のケースでどのような証拠が集められるのか適切にアドバイスをすることができます。さらに、あなたの代理人となって手続きを進めることができますので、相手方配偶者や不倫相手に対して慰謝料を請求してもらうことができます。
また、請求の際に相手の氏名や住所がわからない場合は、弁護士会照会制度を利用することで情報を特定できる可能性があります。
不倫相手が支払いに応じない場合や、離婚訴訟に発展した場合であっても、弁護士に依頼しておけば引き続き裁判手続きについてすべて一任することができます。
4、不倫(不貞行為)の慰謝料請求における注意点
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(1)慰謝料には消滅時効がある
不貞行為を理由とする慰謝料の支払い請求権には消滅時効があります。
以下の期間を経過すると、慰謝料請求の権利がなくなってしまいます(民法第724条)。- 被害者が損害及び加害者を知った時から「3年間」
- 不法行為の時から「20年間」
したがって、不貞行為を知った時から「3年」または不貞行為の時から「20年」が経過してしまうことで、慰謝料請求権は時効消滅することになるのです。
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(2)離婚する場合には、自分の生活の拠点を確保する必要
離婚をする場合には、新たな生活の拠点を確保する必要があります。配偶者の不貞行為が原因離婚する場合には、別居期間中の婚姻費用や、離婚後の養育費の支払い、財産分与なども請求することができます。
このような金銭の支払い請求は離婚してから生活を立て直すためには重要な財産となりますので、離婚する際には適切に相手方に請求していくことが必要となるでしょう。 -
(3)配偶者と不倫相手双方から慰謝料の二重取りはできない
不貞関係にある両当事者は、あなたに対して共同して損害を賠償する責任を負っています。そのため、あなたは不貞行為の慰謝料について、両当事者に対して全額請求することもできますし、どちらか片方に全額請求することもできます。
ただし、慰謝料の「二重取り」はできませんので注意が必要です。
配偶者か不倫相手のどちらかが慰謝料を全額あなたに支払った場合には、それ以上慰謝料を請求することはできません。不貞当事者がどのような割合で慰謝料を負担するかという問題はありますが、あなたは全体として100%を超える慰謝料を受け取れるというわけではありません。
5、まとめ
この記事では、不貞行為の証拠がない場合について泣き寝入りしないための対処法について解説してきました。
裁判や交渉で役立つ証拠を集めることは簡単なことではありません。ベリーベスト法律事務所 郡山オフィスには、離婚トラブル、夫婦間トラブルの解決実績がある弁護士が在籍しております。証拠がなくてどうすることもできないとお悩みの方は、まずはベリーベスト法律事務所 郡山オフィスの弁護士にご相談ください。
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